幽斎

切り裂きジャック 復活の幽斎のレビュー・感想・評価

切り裂きジャック 復活(2016年製作の映画)
3.0
C級スリラーをレビューする、Scavenger第53界。原題「Razors」そのまんま(笑)。男なら一度はカミソリとシェーバーで悩んだ事が有る?。AmazonPrimeで299円鑑賞。

新年一発目は有名タトル(笑)。本作はイギリスで劇場公開、アマゾンは頑として2023を譲らないが、2017年5月リリース。原題「Razors: The Return of Jack the Ripper」ソウ、有名な「切り裂きジャック」なので、本国イギリス映画ならスカベンジャーでは無くシネコン枠でも不思議はない。Ripperは切り裂く、Jackはイギリスで姓名不詳に付ける俗称。ミステリーの世界でリッパ―はバラバラ死体。切り裂きジャックはシリアル・キラーだが、複数の容疑者や犯人を名乗る手紙とか話題は尽きないが、未だ正体不明。

スリラーの定番のプロファイリングの最古が切り裂きジャックの容疑者だが、問題は有名だけど古典過ぎて逆に誰も知らんちゃうの?って事ですよ。レビューを書いてる時点でFilmarksの投稿数は「0」(笑)。登場する6人の脚本家の心意気は買うよ。究極のホラー映画を創れば200万£出す会った事も無いスポンサー。でも、現実的には創りモノの映画よりダークウエブのスナッフ中継が絶対に儲かる。私はホラーの専門家ではないがマニアは血飛沫を浴びる様に見てると免疫が出来て、古典では何も感じないのかも。

警察が発表した死体は、現在の最も残虐なホラーより惨たらしく内臓が剥き出しで白黒でも見るに堪えない。イギリス犯罪史に残る曰く付きケースを、吸血鬼や世紀末思想と同列に語る彼らには緊張感の欠片も無い。有名なホワイトチャペル殺人事件の後も類似の被害者と見られる臓器の持ち去りとか、Scotland Yardもメディアの対応に苦悩。ソレを令和の世に復活させても、企画段階で怖くないと誰でも思う。「ほんとにあった!呪いのビデオ」デジタルに成ったら一寸も怖くない、だって合成が綺麗だもん(笑)。

Filmarksのジャンル分けも「ファンタジー」、喧嘩売ってるのか正論なのか知らんけど、私は劇場で寝た事は只の一度も無いが、家でアマプラを見ると何故か「パトラッシュ、僕はもう疲れたよ」状態(笑)。本作も10分程度記憶が無いが、理由はハッキリしており、模倣犯に留めるべき所をオカルトを持ち出してジャックを復活させるとか、犯罪映画を自ら放棄。脚本通りに連続殺人は起きるが、幻を見たとか悪い夢に魘されたとか、謎解きに対する「逃げ」ばかり。クラシカルなテーマを選ぶのは、流石は英国人と褒めたいが、もう一つのイギリス映画の十八番「ヴァンパイア」の方が怖い。コレなら同じテーマでJohnny Depp主演「フロム・ヘル」300円払った方が絶対にお得!(笑)。

「故きを温ねて新しきを知る」暗闇に取り残された風に感じるので、暇潰しに為るかも。
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