ビョーキノオタク

エイリアン3のビョーキノオタクのレビュー・感想・評価

エイリアン3(1992年製作の映画)
3.0
「いやだ!俺はバケモノがいる場所になんて行かないぞ!ここに残るんだ」なんて死亡フラグの台詞を吐いて、本当に助かった人間を、わいはこの作品以外で知らない……


というわけで、エイリアンロムルスの日本公開が9月6日に決定したので、書こう書こうと思っていてぜんぜん書けてなかったエイリアンシリーズのレビューでも書いていくか…


さて、世間的な評価は低いこのエイリアン3。
いや、気持ちはわかる。
小学生の頃エイリアン2を観て大ハマりして、次の日ウッキウキでレンタルビデオ屋で「3」を借りたらこの仕打ちですよ?
「2」であんだけ頑張って助けたニュートは何だったの?と…

制作初期は監督もデビットフィンチャーじゃなくて、エイリアンの母星が舞台になる脚本だったらしいんだけど、なんやかんやでアレコレ変わってこんな作品になってしまったんだとか。
デビットフィンチャー監督も上から下から圧力をかけられて、キャストのシガニーウィーバーとも良好な関係が築けていなかったりしたらしいし、こんな作品になってしまったのも無理はないかな、と。

エイリアンも、CGがまだ乏しい時代だったので、合成感ばりばりのエイリアンなのが残念😭
「1」と「2」が、エイリアンのスーツを使って光と影で見せるところと見せないところをうまーく演出してた巧みさがこんなところで分かってしまう😭

ああだめだ、悪いところばかり目立ってしまう。
なんとか良いところも挙げてみよう。

エイリアンの目線で追いかけっこするシーン、これは過去作には無かった新たな演出で、緊迫感の生まれる演出になっていたと思う。
しかし反面、エイリアンはやはり「神秘的で何を考えているか読めない」のが魅力だと思うので、これはファンによっては賛否両論……
やっぱり悪いところじゃねーか!!!!


なんとか良いところを挙げるとすると…
エイリアンのデザインや顔は好きです。
犬から生まれたエイリアンだけあって背中のパイプ状の突起がなくて、スッキリしたデザインなのがいいよね。

あと顔も、シリーズの中ではかなりのイケメン顔。
個人的主観のイケメン具合で言うと、
コヴェナント>1>3>4、AVP>2かな。
好みの顔です。

あと忘れちゃいけないのが、エイリアンシリーズで、エイリアンが人間を「食べてる」シーンが出てくるのは、この「3」と「コヴェナント」だけ。
コヴェナントのほうは、正確にはネオモーフという、エイリアンとは別種なので、ちゃんとしたエイリアン(ゼノモーフ)で人間を食ってるのは3のこいつだけ、と言うことになる。

3のこいつも、犬から産まれたという経緯があるから、特別扱いなのかもしれない。

小説版のエイリアンでは、成長過程のエイリアンは食糧保存庫を漁っていたという描写があるらしいので、人間から産まれたエイリアン(ゼノモーフ)は、人間は食料としては認識しておらず、「1」のディレクターズカット版の削除されたシーンや、フェイスハガーに寄生させるための生殖行動の媒体として利用するのが、本来の人間を襲う理由なのだろうと考察できる。

また、「3」で初めて、「フェイスハガーが寄生した宿主の特徴を引き継いだエイリアンが生まれてくる」という設定ができたのは革新的だ。
もともと「1」で、エイリアンは生物兵器であることが仄めかされていたが、寄生した宿主の特徴を引き継げば、その惑星の環境に適応した生物の特徴を引き継ぐことができる。
卵を惑星にばら撒いて、卵から生まれたフェイスハガーで寄生することで、その星で何世代もかけて適応していったであろう生物の特性を引き継げるのは生物兵器として理にかなっている。

そういった考察の余地を広げてくれた意味では、シリーズでも無かったことにして良い作品にはならないだろう。