爆裂BOX

ディープ・シー・ミュータントの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.4
婚約者の死に大企業のカルシン・グループが関わっていると知った元救助隊隊長のチン・ウーは、その証拠を握るジェイソンを追って豪華客船に乗り込むが…というストーリー。
違法な遺伝子実験で作り出された超巨大な大蛇と毒蛇の群れが豪華客船を襲撃する中国産のモンスター映画です。「大蛇」シリーズの一作って訳ではなさそうですが…
チン・ウー達が乗った豪華客船は突如、大蛇と毒蛇の群れに襲われ、多数の犠牲を出しながらもウー達は客船を脱出し、無人島へ漂着するも、そこま大蛇や奇怪な生物であふれた島だった、という内容です。
冒頭から、大企業が無人島に構えた研究施設で蛇の遺伝子実験を行っていた結果、実験は失敗し蛇たちを処分しようとするも、実験によって凶暴化した蛇たちによって傭兵や作業員達がドンドン襲われていったり、証拠隠滅の為科学者たちを傭兵達が射殺していったりと怒涛の展開で幕開けします。大量の毒蛇や超巨大蛇も出し惜しみなく冒頭から登場します。大企業の社長のおつきのセクシードレス女子二人も処分を任されて結構善戦したりと、景気よく盛り上げてくれます。その一年後に舞台が飛んで、主人公が乗り込んだ豪華客船を大蛇と毒蛇軍団がすぐ襲撃してきて阿鼻叫喚の修羅場になったりと、お話のテンポは非常にいいです。
豪華客船が毒蛇軍団に襲撃される前半は、あっちこっちで乗客たちが蛇に襲われる中を主人公達が何とか潜り抜けていくという船版「スネーク・フライト」という感じで、オーソドックスなサバイバル劇が展開されて楽しめました。客船の船体を無数の蛇が這っているシーンはちょっと気持ち悪かったなぁ。生存者を救命艇で脱出させて一人残った主人公が船体に絡みつく大蛇に立ち向かうクライマックスな展開で、前半だけでも一本のモンスター映画になってましたね。
後半は中国産モンパニでお馴染みの無人島が舞台になりますが、大蛇だけでなく、人の血液に反応する巨大人食いフジツボや、「キングコング 髑髏島の巨神」から出張してきたと思われるバンブー・スパイダー等のモンスターも登場して、とにかく見る者を飽きさせない様にテンポよく矢継ぎ早に進んでいく所は良いですね。その代わり前半の小型毒蛇が全く登場しなくなるのは寂しいけど。
ただ、話のテンポは良い分、登場人物は類型的で、キャラの掘り下げも薄いのでメインキャラが退場していってもアッサリした印象受けますね。「このキャラはここで死ぬんだろうなぁ」というのが容易に読めますし。黒幕キャラも最初から露骨に怪しい奴ですし。というかアイツは一年前の島からどうやって脱出したんだ。
超巨大大蛇のデザインも「大蛇」シリーズに登場するティタノボアそっくりで、あんまり変化は感じられないかな。中国モンパニのもはや特徴の一つと言ってもいい、他の作品で見た事あるシーンもどんどん出てきます。
ラストの超巨大蛇の退治シーンは、単純に爆殺とかじゃなくて、伏線活かした斬新な物だったので、それは良かったですね。
元凶の大企業カルシン・グループの社長の末路が最後にテロップで片づけられたのは笑ってしまいました。
全体的には何時もの中国産モンパニ映画という感じですが、話のテンポが非常に良くて、モンスターも出し惜しみせずに景気よく人を襲ってくれるので中々楽しめました。