TsuyoshiNomoto

HereのTsuyoshiNomotoのネタバレレビュー・内容・結末

Here(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます


映画の醍醐味って光だったって久々元気出た。映像の美しさがとってもラブリーな映画

「出稼ぎのルーマニア人労働者(もしくは移民?)が不眠で街を闊歩し、
アジア系の蘚苔学者とたまたま森で出会って友達になるまで」という
文字にしたらだいぶ物語あるけど、実際はほぼ映画の中にハナシはなく、
そういう意味で、ミニマルテクノ
みたいな映画だった。一定のビート一定のリズム、そこにたまにフィルが入ってパッと胸が躍るような具合に、変わらない日々の中に差し込む光の幻想的なムードに、ほんの一瞬ただ悲しみが少しだけ和らいで、霞がかって、体は日常へと戻る。語弊あるけど、主題的にはほぼそれだけについて映画という点でかなり良かった。

2回目を鑑賞。
労働者たちとの帰り道、ステファンの名前が呼ばれるが、彼は無視して先をいく。
そして故郷の森を夢見る。蛍の光、友人との記憶、家族との関係、断ち切った世界に対して新たに出合い直す巡礼の映画なんだと再認識。
そして、ラストシーンは胸踊る恋の予感と同時に、彼がまた記名性を持たない移民であるという状況を煌びやかに映し出すという意味で、映画というアートフォームの力を再確認。
TsuyoshiNomoto

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