ちいさな苔の世界にも新しい発見があると言う、日頃から研究をして、身近にあるものでも、それまで知らなかったことってたくさんあるんだろうな。わたしたちの生きてる世界にだって、同じことが言えるだろう。ものの見方、切り取り方を変えてみたら、普段生きている日常の中でだって、きっと新しい発見は出来るのだと思う、そんな魔法を信じたくなる映画だった。
なんてことのない自分の人生を抱きしめたくなるような、そんな優しさを持ち合わせていて、映画は人生で、わたしたちの人生だって映画のようであると思わせてくれる作品はどうしたって好きだ。ゴースト・トロピックも良かったけれど、わたしはhereの方が好みだった。名前すら知らない彼からのスープ、彼らのこの先を思わずにはいられない。
この瞬間、ここで、一緒に過ごした、たったそれだけのことが、それだけで充分だったりすること、わたしは知ってるよ。
雨の音、鳥のさえずり、木々の揺れる音、どれもが心地良くて、耳を澄ませては、つい目を閉じてしまった。
聴くこと、感じること、今ここにいるということ、それは生きるということ。
