このレビューはネタバレを含みます
観るデジタルデトックス。映画観てる時点でデトックスできてないのかもしれないけれど。
心情の変化をミニマルに描く。様々な誘いを断る男(ある意味ではパンクチュアル, ハードワーカーまでいかずとも)、しかしながら何かを求めて街をふらつく描写があったり、子供の頃の心象風景に幾度となく手を伸ばしている。何かの種をずっと持ち歩いていたり、共同造園に立ち寄ったりする。前半の工事現場、ビル街から始まるシークエンスからの脱却がシームレスに描かれている。男はどこかへ旅行するのか、この街にもう帰ってこないのか冷蔵庫の中を空にしていく。
コゴナダ監督『コロンバス』の対極。コロンバスが建築物の美しさに軸を置いた話なら、こちらは植物・自然に重きを置いた話。アジア系専門家との交流を描いている点も同じ。両映画同様チープなラブロマンスに成り下がらない点も本当にグッド。
男にとってのスープは関係をスムーズに進ませる為のアイテム。車の修理を早くして欲しいから渡したりする。しかしながら最後にスープを渡すムーブは前半との意味合いがまるで違う。あ〜監督上手〜って。
無言のサムズアップだけで気持ちを伝える良さってあると思います。