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HereのAZのレビュー・感想・評価

Here(2023年製作の映画)
3.7
一期一会、出会いと別れを監督はテーマに描いているのだろう。その背景にあるものは世界の再考、再認識。世界を大きく捉えること。

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『ゴースト・トロピック』でも感じたが、人間社会を人間社会として捉えるのではなく、地球という大きな世界で捉えているように思う。そこには分断された世界を一つにしようという意志を感じる。

それは苔を小さな森と捉えるシュシュの考えに通づる。フラクタル的な考え方の重要性。小さな世界を大きく捉えることは、この世界をもっと大きな視点で捉えることにつながっていく。

宇宙船地球号。同じ星に生きる生命なのだから国籍なんて関係ないと。

そういったメッセージを、人種の違う人々の出会いと別れを静かに淡々と描くことで表現した作品だった。

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映像美はもちろん、音が印象的で自然音はより地球を感じさせる。ストーリーよりは映像と音で伝えたいメッセージを表現しようとしていたように思う。とても繊細な映画だった。
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