Shin

マリの話のShinのレビュー・感想・評価

マリの話(2023年製作の映画)
4.5
 ポスタービジュアルからは小難しい作品なのかと思っていましたが、そんなことはなく、シュールで面白いシーンも多く、客席でニヤニヤしながら観てしまいました。

 本作は4部構成で、フランスで撮影された4話目をもとにして後の3話を作ったそうです。1話目はある映画監督(ピエール瀧)が夢の中で見た女性に出会い、自分の映画への出演をオファーし、恋をしていくというものです。その後は主人公も変わり多少の強引さはあるものの、全く予想できない展開に目が離せません。そしてもはや、物語の繋がりが成立しているのかさえ気になくなります。

 特に3話目の家屋の縁側で、マリ(成田結美)とフミコ(松田弘子)が猫のようにジャレあうシーンは奇跡のように素晴らしくて圧倒されました。

 監督の臨機応変な姿勢と大胆な想像力が生んだ、今まで見たことがない不思議で面白い映画「マリの話」。一見の価値があります。
Shin

Shin