アトリ

トゥルーホラー:悪魔が私に殺させたのアトリのレビュー・感想・評価

3.3
アメリカで実際に起きた殺人事件に関するドキュメンタリー映画
犯人は自分に悪魔が憑依しており、その悪魔が殺人を犯したと証言
弁護側が悪魔の存在を証明するという前代未聞の裁判が行われた
1980年代にアメリカで最も注目された裁判のうちの1つ

「死霊館」で有名になったウォーレン夫妻も関わっている


*実際の録音音声や写真が出てきます


エミリーローズみたいな感じかなと思ったら
ご本人や関係者インタビューをメインに構成されていて
特別テレビ番組を観る気持ちでみてほしい

この殺人事件には前奇譚として11歳の少年が大きく関わっていて、前半は少年(当時)が悪魔に憑依された体験が語られる

彼は4人兄姉の末っ子で
インタビューは彼を含めた全員が当時を振り返りながら主観で話していく

ウォーレン夫妻の孫まで出てくる


正直、これは映画(エンタメ、フィクション)として楽しむものではないと思う
実際に人が死んでいるけど
観る人によって解釈は変わる
だからこそめちゃくちゃ難しい
いろんな考え方があるよね、でも司法としてはこんな判決になりましたって結末

全員の意見を聞き入れるのは無理やし
真実がこれだ!って導き出すのも難しい
人の数だけ真実があるから


----以下ネタバレ-----












私は霊が視えるし悪魔や神の存在も信じる側やけど、この事件で悪魔が彼らを操ったのかどうかはNoだと思う
なにかしらの霊がいたずらレベルでポルダーガイストを起こしたり、母親や少年の弱い心に漬け込んで騒ぎを起こすようにしむけたとは思うけど

母からの睡眠薬入りの食事で全員が幻覚を見ていたとしよう
多分それもあったと思う
でもそれならなぜ父と長兄は幻覚を見なかったのか?

教会が除霊を行うのは、相当な場合やと思う
それなりの証拠があった。
それはウォーレン夫妻が狡猾だったから、というだけで集まるのか?
教会もウォーレン夫妻とグルならあり得るか?教会にメリットなくない?

姉の彼氏が殺人を犯したのは、本当に悪魔に取り憑かれていたのか?
嫉妬で殺した可能性が高いのでは?その後
除霊はしていないのに祈りを捧げているだけで悪魔が去るわけないだろ


私は仕事柄たくさんの人を霊視するけど
本物のウォーレン夫妻はどこかうさん臭く
聖人で人助けのために活動しているのではないとずっと思ってた

「死霊館」の俳優さんたちはウォーレン夫妻をめちゃくちゃ良い人として演じていて
本当に現実の夫妻もあんな風だったら良いのにと思う
(「死霊館」シリーズ大好き☆5つけてるのもある)

集団催眠と心霊は結びつきやすい
だからカルト集団が成り立つ

ウォーレン夫妻に関する作品でここまではっきりと「狡猾で詐欺師」と言葉にするものは初めて観た
でも凄く腑に落ちる

ウォーレン妻は本当に感じる人だとは思う
でも人助けのためにやってるのではない
自分たちが幸せになるために活動している

その犠牲になったと感じている人たちの話が聴けて興味深かった
アトリ

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