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耳をかたむけてのsayayumeのレビュー・感想・評価

耳をかたむけて(2023年製作の映画)
3.8
東京国際映画祭にて

脚本家志望のはずが今や葬儀社のバイトとして弔文書き。ただきっちり周囲や本人に取材する仕事ぶりは評判がいい。
心から書きたいストーリーも浮かばぬまま北京の片隅で暮らす理想とは程遠い現実。だが真摯に言葉に文字に起こしてきた人生たちは、いつしか彼を彩り出会いをもたらす。
どの人生にもドラマはあり、関わる人により見方も記憶も異なる。孤独に見える主人公が生前の本人や死者に関わった人たちの話に耳を傾けるのは、無意識に積もった人との繋がりへの渇望ではなかったか。
やがてくる穏やかな一歩の物語。


華流ドラマにハマったきっかけは『瑯琊榜』(2015) その主演のフー・ゴーと少年護衛役だったウー・レイの再共演。フー・ゴーの繊細な変化。ウー・レイ演じる青年の絶妙な浮遊感。光線の描き方も美しかった。
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