よーだ育休中

ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

4.0
カリフォルニア州バーバンク。社員がみな退社して誰も居なくなったウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで、歴代ディズニーキャラクター達が壁にかけられた絵の中から飛び出して100周年を記念した集合写真の撮影を行う。


◆ If these walls could talkー.

ウォルト・ディズニー・カンパニー創立100周年記念作品である『ウィッシュ』と同時上映されたショートムービー。今作も『ウィッシュ』と同様に100周年という節目の年をお祝いする雰囲気が満ちている作品でした。

誰も居なくなったスタジオの中で、個性豊かなキャラクター達が絵画から飛び出して愉快なパーティーを始める。なんて夢のある設定でしょう。作品の垣根を越えたキャラクター同士の交流は微笑ましいだけでなく、各キャラクターの個性が活きた描写がなされています。ヴィランもちゃんと仲間に加わっているのも素敵なポイント。

そして、スタジオのエントランス前に勢揃いしたキャラクターたちの描写は最早圧巻です。セルアニメ、CGアニメを融合させた演出にも心が踊ります。


◆ Gotta go, but thanks. On with the show.

キャラクターを大集合させた圧倒的な物量でセレブレーションの雰囲気はしっかり伝わってきますが、それだけで終わらせないのがディズニー作品の素晴らしい所。

それぞれの壁紙から飛び出してくるキャラクター達ですが、絵の中から飛び出してこない人物がたった一人。ディズニーの生みの親であるWalt Disney其の人でした。彼の意志を受け継いだように肖像画へと語りかけるミッキーマウスの姿にグッときます。

今作はセルアニメ、CGアニメだけでなく実写も融合させているところがまた素晴らしい。実際のスタジオ(実写)を舞台にアニメキャラが楽しげなやり取りを繰り広げるわけですが、今作には生身の人間も登場しています。「キャラクターたちと話ができたらなぁー。」と口にしてドアを閉めたのは、ディズニー作品を支えてきた優秀なクリエイターの一人Burny Mattinsonとのこと。100年もの間、ディズニーを支え続けてきた人達に対するリスペクトも感じられます。

たった9分映像ですが、その中にはしっかりとディズニーの歴史と愛が凝縮されていました。