アニメにおいてはアカデミー賞受賞作よりも注目しているアヌシー国際アニメーション映画祭の2023年度長編部門グランプリ作品。
パッと見、単色で塗られて時には輪郭も曖昧になるキャラクターたちのビジュアルに目を奪われます。
特に夜のシーンはどれも素晴らしかったです。
アート系の作品かと思いきや内容自体はコッテコテのドタバタ喜劇です。
他者に迷惑をかけないと教えてこられた日本人としては乗り切れない行動や価値観はあります。
昭和のコメディ映画はこういうノリもよくありましたが。
「ディーパンの戦い」などで見られるフランスの団地が想起させる貧困と移民の問題であったり、ストライキの一般市民への浸透具合であったり警察へあからさまなの不信と敵意であったりという作品が描く雰囲気はフランス人であればもっとすんなりと飲み込めるのかもしれません。
突然始まるドラッギーな色使いやアニメーションで歌われる日常ミュージカルソングは少し「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」を思い出しました。