稲葉光春

かぞくの稲葉光春のレビュー・感想・評価

かぞく(2023年製作の映画)
-
登場人物たちが、ため息をついて思い詰めてる顔をする様子が演技が1時間半映される映画。セリフや説明はほぼない。途中でめっちゃ訛ってる人が謎の歌を歌い出したけど、なんのこっちゃわからない。見終わったら客席からため息が聞こえてきてまだ映画が続いてるのかと思った。
吉沢亮目当てなのか、女子高生ぽい女の子が見にきてて隣に座ってたけど、上映中ずっと髪の毛いじってて、上映終わると魂が抜けたみたいな顔してた。後ろの20代くらいの女性二人組は「〇〇出てなかったら絶対寝てるよ」て言ってた。
ぼくはこういう映画もあるんだなーと思って見てたけど、周りの客の反応がやばすぎて笑った。上映終わるなり、こんなに悪口言われる映画は初めて見たので、それが一番印象的だった。正直本編より客の反応の方が面白かった。
この映画の後にゴダールの『軽蔑4kリストア版』を観たけど、この映画の後だとゴダールの映画もめちゃくちゃエンタメ作品に思えた。
周りの観客の反応はめちゃ悪かったけど、ここまでセリフを排除した勇気は素晴らしいと個人的には思った。普通もっと説明したくなったり、客を楽しませようとすると思うけど、そういうことを全く考えずに自分のしたい表現をやりきったのは素晴らしい。監督の勇気に拍手です。
稲葉光春

稲葉光春