イチロヲ

欲情の季節 蜜をぬる18才のイチロヲのレビュー・感想・評価

欲情の季節 蜜をぬる18才(1973年製作の映画)
4.5
自由奔放な性生活を送っている少女(梢ひとみ)が、草臥れた中年の産婦人科医(坂本長利)と無理心中に失敗した不能の青年(志賀圭二郎)を救済しようとする。男に活力を与える「女神」の在り方を説いている、日活ロマンポルノ。

本作のヒロインは、「生きるための活力としてのセックス」を本能的に内在させている人物として登場。母親(中島葵)の淫蕩の血を継いでおり、あらゆる男を篭絡する魔性を秘めているのだが、それはすなわち「女神」と表裏一体でもある。

前半部のシチュエーション移動がとても早く、当時の風俗を映像で識ることができる。ソフトロック、アングラ、チルアウトなど、グルーヴィーな楽曲が流れまくるところも嬉しい。まるで、後のファッション・ポルノを先駆けているような印象。

60年代の緑魔子が演じそうな役柄を梢ひとみが熱演しており、その役者スキルが見事に引き出されている。「去勢された状態から救ってくれる女神」の生き様を、軽いフットワークを交えながら描いていく、ロマンポルノの教則本的作品。
イチロヲ

イチロヲ