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心の涙をことばにして ~今日を生きる子どもたち~の作品紹介

心の涙をことばにして ~今日を生きる子どもたち~のあらすじ

ケベックには、言葉にできない恐怖を体験した子どもたちがいる。 戦争や暴力から逃れてきた難民である彼らは、通常の生活に適応しなければならない。 一度は自分の存在意義を見失った子どもたちが、再び意味を見出すにはどうしたらいいのか。 それぞれの事情を抱えた子どもたちは、どのように学校生活に溶け込めばいいのか。 紛争に関連するトラウマを専門とする心理学者ガリン・パパジアン・ゾラビアンは、かつて経験したアルメニア人虐殺とレバノン内戦の記憶を背負い、ケベック州の学校の教師たちに、教室にやってくる難民の心理社会的問題に対処するためのトレーニングを行っている。

心の涙をことばにして ~今日を生きる子どもたち~の監督

原題
Unspoken Tears
製作年
2022年
製作国
カナダ
上映時間
75分
ジャンル
ドキュメンタリー

『心の涙をことばにして ~今日を生きる子どもたち~』に投稿された感想・評価

Ryo爺

Ryo爺の感想・評価

4.0
『心の涙をことばにして ~今日を生きる子供たち~』(原題:Unspoken Tears)は、2022年製作のカナダのドキュメンタリー映画。監督・脚本はHélène Magnyが務める。今作は日本初公開であり、上映時間は75分。


祝日を利用して、青山一丁目駅から徒歩7分のカナダ大使館で行われた‟第18回難民映画祭”に行って参りました。現在、紛争や迫害で家を追われた人の数は、1億1000万人。日本人全員がほぼ一人残らず家を追われてしまうという現状です。そして戦争や紛争は一向に収まらず、その数は右肩上がりに増えています。そんな中知ったこの映画祭。「自分に出来ることは知ることぐらい」と足を運んだ次第です。
ではいかせて頂きます。


<作品の概要>
カナダのケベック州には、言葉にできない恐怖を体験した子どもたちがいる。戦争や暴力から逃れてきた難民である彼らは、通常の生活に適応しなければならない。一度は自分の存在意義を見失った子どもたちが、再び意味を見出すにはどうしたらいいのか。それぞれの事情を抱えた子どもたちは、どのように学校生活に溶け込めばいいのか。紛争に関連するトラウマを専門とする心理学者ガリン・パパジアン・ゾラビアンは、かつて経験したアルメニア人虐殺とレバノン内戦の記憶を背負い、ケベック州の学校の教師たちに、教室にやってくる難民の心理社会的問題に対処するためのトレーニングを行っている。
※第18回難民映画祭2023 HPより引用。



【パンチライン製造映画✨】

一番良くないことは‟無知”であり、そこから抜け出す最善策は教育がもたらす‟学び”なんだと思う。

印象的だったのは、心理学者ガリン・パパジアン・ゾラビアン(以下ガリン)が学校の先生に心に傷を負った子供たちとどう接すればよいかをグループワークを通じて教えている風景。恐らくはそこにいる誰よりも凄惨な地獄を見て来たであろうガリンはそこに座る誰よりも冷静に先生たちの言葉を受け止めていた。決して感情的にならず、小さく頷きながら一つ一つの言葉に耳を傾けるその姿に宿る強さ、深さ、温かさ。その姿に思わず「スッゲ、、」と声が漏れ、全身に鳥肌が立つ。

紛争がもたらす命の危険から止む無く逃れてきた子供たち。故郷はレバノン、シリア、アルジェリアなど。その子供たちがカナダの学校の一室で輪になって座り、お互いの目を見ながら言葉を発し合う。それぞれの考えや抱いた感情、目にしてきたもの、耳にしてきたことを精一杯の言葉に変えて。

語られる内容は日本人の僕の想像を超える惨憺たる現実。それを語る表情は様々だ。
ある者は涙を滲ませながら。
ある者は虚ろな目をしながら。
ある者は少し笑顔を浮かべながら。

それでも理路整然と言葉を紡ぐ姿には、それぞれの喪失に裏打ちされた悲しい強さを感じた。状況が彼ら彼女らが子供でいることを許さなかったのだろう。無邪気さはほとんど感じられず、どこか大人びた雰囲気を帯びていた。

そんな子らが行うグループワーク。
その中のルールの1つとして、‟他人の意見を否定しない”というものがあるのは、どこかで聞いたことがあるのではないかと思う。
グループワーク中、意見を交換し合う中で、過去の悲しみが蘇り、泣き出してしまう子や他の子の態度に怖さを感じる子、そして怒りに駆られて声を荒げる子も出てくる。しかしガリンはルールの範囲内であれば、悲しみも恐怖も怒りさえも否定しないし、押さえつけない。あらゆる感情は人が本来持つものであり、大事なのはそれを認めて受容すること。

今まで自分の存在を否定される環境下で育った子供たちに、ありのままの言葉や感情をアウトプットさせ、それを受け入れてもらう経験を重ねること。そうすることで「自分はここにいていい、存在していい」という自分を肯定するスタート地点に立てる。

グループワークにおいては、参加する全ての人が平等であり、周りの一人一人を尊重し、自由な発想で発言し、感情は他人を傷つけない範疇で表現できる。そしてそれらは決して否定されず認められ、受け入れてもらえる。

(先生という場をコントロールする存在はいるものの)民主的な社会の理想像を見ているようだった。自由と平等と平和がそこにはあった。皆が常にこういった意識の下で暮らしていたなら、戦争など起こり様が無いのではないか。この場1つで心の癒しを得、社会性を学び、コミュニケーションスキルを磨く場としても機能している驚き。

そしてより自分の言葉を豊かにし、新しい視野を獲得するために重要なのが、読み書きに始まる教養であるというメッセージ。それをさらに伸ばすために本を読み、映画を観るといった文化に触れること。それらは自分の思考や感情に対する解像度を上げ、表現をより豊かなものにしてくれる。

劇中、自身も難民だった先生が発した
「本には宝物が隠れている」
という言葉と手にした本を見る子供たちのまん丸い真っすぐな眼差しが脳裏に浮かぶ。


<総評>
この映画自体が非常に様々な示唆に富んだ作品でした。
ガリンさんが仰った
「トラウマがあっても、共に人間は生きていける」という言葉。
御本人はその見事な体現者です。
また心の傷に"ADHD"や"PTSD"などと言った病名というレッテルを貼って、分かった気になり本人と向き合うことをしない風潮にも警鐘を鳴らしています。

なおカナダでは永住移民受け入れの人数が2022年に43万人超と過去最高を更新したそうです。我が国の現状を見るに言葉を失う数字です。

では最後に上映後に登壇された明治学院大学院教養教育センター非常勤講師で難民の就労支援など様々な活動をされている可部州彦(かべくにひこ)さんの言葉を紹介して終わろうと思います。

「難民という人はいない。彼らの名前を呼んでみて下さい」
カナダ映画だがフランス語。ケベックだから。
世界中から様々な経緯を経て集まった難民として逃れてきた子どもたち。彼らの傷を癒すには。
難民問題と教育、というすこーんとこれが解決策です!がないとこがクロスしているところにスポットを当てている。
彼らの今をしっかり受け止めて、何ができるかわからないけど考えるしかない。
青夢

青夢の感想・評価

5.0
難民映画祭 

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