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ビフォア・マイ・アイズのdm10foreverのレビュー・感想・評価

ビフォア・マイ・アイズ(2023年製作の映画)
3.0
【~からの?】

先日配信されたウェス・アンダーソンの短編シリーズに気をよくしたのか、突如NETFLIXで配信されたちょっとホラー味のある短編作品。
あ~あれか、ハロウィンが近いからってことなんかな?

監督のジェド・シェパードは「ダッシュ・カム」や「Zoom/見えない参加者」などの脚本も手掛けているので、割とオカルト系は得意なんだろうね・・・っていう程度の前情報をサラリと流し込む。

ってな感じで、16分という短尺も有り難く気軽にポチッとな。

・・・う~ん。
設定は思ったよりもちゃんとしてるんだけど、逆に「設定をちゃんとしすぎちゃった」って感じ?
これ、16分程度でやるような話ではないんじゃないかな?

原題やFilmarksのあらすじでも「フラッシュバック」って言われてるけど、早い話が「BACK TO THE ホニャララ」なんですね。

主人公のジェスが、幼馴染から最愛の彼氏にまで発展したスコットと家でラブラブな時間を過ごしていて、お互いいい歳になってきて、ようやく将来のことを語り始める彼氏。

(いかん!我々はそれを「フラグ」と呼んでまっせ!)

案の定、家に忍び込んでいた強盗に銃で撃たれてしまう二人。
そして消えゆく意識の中で自分の人生が走馬灯のようにフラッシュバックされた時、「もう一度人生をやり直して彼を助けたい」と願ったジェスが15年前の自分の誕生日会まで戻って、当時はまだ片思いだったスコットとの関係性を修正する。
そうすれば未来でスコットが殺されることもないはず・・・・。
そして「ちょっとだけ変わった現在」に戻ってきたジェスとスコットの運命は・・・って話。

まぁいわゆる「バタフライエフェクト」ってやつね。
設定は悪くはないと思うのよ(既視感バリバリ云々とかはとりあえずさておいて)。
なんだけど、これって16分で詰め込むには相当無理があるテーマに手を付けちゃったな・・っていう印象。
まるで鍋で野菜を炒めてるところで時間切れになってしまって「結局、何の料理を作る予定だったの?」っていう状態。

なので、膨らませる余地は十分にあるとは思うんだけど、分相応というか尺相応というか、この尺で中途半端に手を出すと結果的に「結局何だったん?」てなっちゃう典型的な「短編あるある」。

主人公のジェス役のジェマ・ムーアは「Zoom/見えない参加者」に出ていたし、彼氏のスコット役のアマール・チャーダ・パデルは「ダッシュ・カム」に出ていた。
いずれもジェド・シェパード絡みではあるけど、長編にもちょこちょこと顔を出し始めている俳優さん。

まだまだメジャーとは言えないんだけど、でもそんな関係のある三人が組んで作った今作は、もしかしたら新しいホラー映画のパイロット版的な意味合いもあったのかな?
だとしたら何となく話は変わってくるかもしれない。

ただ、現時点で提示されているプロット自体は、すでに他の作品なんかで擦り倒されてるものばかりだから、ここからどんなオリジナリティをぶっこんで来るのかね・・っていう期待(と不安)もあるけど。

単純に今作単品で言えばそれほど面白くはないんだけど、「もしかしたら・・・」という期待も残しつつ・・・。
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