おつか

インファナル・アフェアIII 終極無間 4Kのおつかのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

なんとか完結まで劇場で観ることができました。大きいスクリーンで観て良かった。腿裏に叩きつけたくて、人生で初めてパンフ買いました。

前二作の面白さに引けを取らない素晴らしい完結編だったと思う。というか1の時点で3の伏線が色々張ってあって、よくできた物語だな〜って感心してしまった。

1がキャッチーなサスペンス、2が真っ直ぐな群像劇なら、3は人間ドラマとミステリーとスリラーの掛け合わせという感じかな。毎回異なる面白さを見せてくれるから、すごく新鮮な気持ちで観られた。ジャンルとしては3みたいなのが好みなので、シンプルにめっちゃ楽しかった。

まあでもやっぱりちょっと難解で、正直追い切れなくてリアルタイムに感動できない部分もあった。ぶっちゃけヨウが誰なのか未だによくわかってない。とはいえもう一度観て理解したいと思わせるだけの牽引力のある作品なのは間違いない。

あともう少しラウに感情移入したかったな。僕が寝不足だったせいかもしれないけど。ラウが壊れていく様子を外側から見ることしかできなかったので、その前に内側に入り込めるパートがあればもっと乗れた気がしちゃうな。

あ、でも、最後にラウがヨウ達の前で吠えるシーン、心に刺さりまくった。一度罪を犯した人間にはもうチャンスはないのか?罪の意識というものをまともに感じたことのある人間なら、逃れられない問いだろう。この映画の答えは、罪の意識をすっかり忘れて、妄想の世界の中で生きていくことになるとしたら、それは幸福か?という反問である。僕はやっぱりそれを幸福とみなすことはできないな。リー医師がそうしたように、罪を受け入れて、傍に抱えながら、それでも幸福に手を伸ばし続けるしかないということか。たとえ罪が僕らの心を痛めつけ、幸福は手に入らないとしても?ああやっぱりこの世は無間地獄そのものだ。とかなんとか、ぐちゃぐちゃ考えてしまう。完全に良い映画の証拠だ。

パンフレットを読んで、本編をもう一度観返そうっと。
おつか

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