よ

インファナル・アフェアIII 終極無間 4Kのよのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

前二作が組織にすりつぶされる人間を描いたのに対し、こちらは自分におしつぶされる人間を描いている。いわゆるアイデンティティ・クライシスというやつだ。

「生きる」ことと「生きのびる」ことはまったく違う。詩人・穂村弘はそう言った。
ラウは組織から主導権を奪うことで第一部を生きのびたものの、生きることには失敗したわけだ。

ヤンと対照して考えるに、その生き死にを決めるのは、美学の有無なのだろう。
こう在りたい、こう成りたいと願いつつ起こした行動がどれだけ多いか。その積み重ねが後悔のない選択をさせ、アイデンティティを作っていくのだろう。

では、どう生きるか。
その問いに答えようとしてきたのが、映画という産業なのかもしれない。
よ