やっぱり一作目がアジアにおける潜入捜査ものの金字塔と言われるだけのことはあり、男と男の執着を描くのが上手いな…。自ら選んだ道によって破滅していく男の姿。最初はもうすでにいない男の立場にうまく成り代わろうとしていただけの男が、疑心暗鬼に狂い、己が手で殺した男に自らを重ね、いつしか本当に自分こそがヤンであると自らを偽っていく。
あそこまで死んだ男への執着を描くってすごいことだったんじゃないかと思わせる展開だったな…警察官という立場に身を転じてからレオン・ライ演じるヨンという公安が現れて、この男をマフィアのスパイに仕立て上げたい、さらに自分の過去を暴かれる前に殺したい、身から出た錆のくせにヤンの苦しみを勝手に自分と重ね合わせていくという、描き方が重厚な割にものすごく身勝手な男の話。ヤンの影を追い、いつしか成り変わっていくのは辛かったか？甘美にすら思えたか？
ラウが死なずに完結するのは「無間道に死はない」と何度も繰り返し伝えてくれてるので納得のラストなんだよね。
Ⅰでも思ったけど大仏を撮るのがうますぎる。でかい大仏のシーンがすっげ――――かっこいい。こんなにかっこいい大仏、他の映画では見たことない。というかそんなに大仏が出てくる映画を見たことがない。満点。
