旅するランナー

インファナル・アフェアIII 終極無間 4Kの旅するランナーのレビュー・感想・評価

3.5
【映画は俳優を変えるが、俳優は映画を変えられない】

香港ノワールの金字塔、3部作遂に完結。
1作目の10か月後から始まる本作は、アンディ・ラウがメイン。
保安部のエリート警官役レオン・ライとの駆け引きが繰り広げられます。
アンディ・ラウも、このシリーズによって、名優の仲間入りですね。

そのアンディ・ラウ、レオン・ライに加えて、トニー・レオン、ケリー・チャン、アンソニー・ウォンら。
前2作の出演者総出演になっていて、最終章に相応しい豪華さです。
これが、本作の一番の見どころでしょう。

でも、残念ながら、時間や死んだ人やその幻影がゴチャゴチャになって、ややこしいこと甚だしい。
死んでいった者たちの妄念に取り憑かれ「早く人間、じゃなくて、善人になりたい!」という、アンディ・ラウの心の叫びも上滑りしています。

大陸から来た男チェン・ダオミンによる「運命は人を変えるが、人は運命を変えられない」。
キーワードにもなる「明日が過ぎれば無事」。
のような心に残るセリフもあるんですけど、いかんせんストーリーがとっ散らかってます。
豪華俳優だけでは映画は良くならない実例みたいな映画です。

それにしても、ケリー・チャン女医による催眠療法は受けてみたい。
これを受ければ、僕の生き方も変わるかもしれません。