すなみ

99%、いつも曇りのすなみのレビュー・感想・評価

99%、いつも曇り(2023年製作の映画)
4.5
よかった。とても。
悲痛、そして迫真。
アスペルガー・発達障害傾向のある主人公一葉。子どもを作る作らないを巡り夫大地とすれ違っていく。
いわゆる「普通」の人がとても嫌な感じで描かれていてよかった。
デリカシーの無いおじさん、しょうもない酔っぱらい、失礼な会社の同僚。
天気は99%曇りでした。

総評としては本当に良い映画だったのだが。
美術教室のシーン、あれは何を描きたかったのか?
一葉に芸術の才能があることを描きたかったのか、発達障害ゆえに生まれる人とのすれ違いを描きたかったのか?
あそこはぼやけていたかなと。
率直に、一葉が先生にえこひいきされ、一葉に傷つけられた生徒がかわいそうだなぁと思った。
発達障害の特徴を描くのに必要なシーンだとは思うんだけど、美術教室のはやりすぎかな。
なんかハッピーエンド的にまとめられたけど、一葉が迷惑をかけた里親センターの人とか、一葉が傷つけた美術教室の生徒はどうなるんでしょうね。

大地の会社の同僚キャラクター、樹里は何で出てきたのか、イマイチわからず。この映画に必要あったのか?
まぁ言葉遣いは「イキってる」とか使う人と言うのはわかるんだけど、現実世界で「アスペ」なんて言ったらかなり非常識な人間の部類に入ると思うので、違和感。
樹里はそこまで、非常識っぽくないので。

あと一歩、細部まで考え抜いて作り込めると、良かったなという作品。
すなみ

すなみ