まや

違う惑星の変な恋人のまやのネタバレレビュー・内容・結末

違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

すごく楽しみにしていた作品。とても楽しく見られて笑い過ぎて大声出せないから堪えるのがしんどかった。

男女4人が織りなす人間関係を会話劇メインで描いていく。それぞれの男女が徐々に関係性を作っていき、4人が別々の人に片想いしていく。全員一方通行であることが徐々に描かれ、そのことを理解した上でさあ、どうしようと4人で話し合う。

まずこの設定が変すぎる。なぜ全員で話し合うのだ。不毛なのに話し合ってお互いの好きな人を隣に置いて円状にわかりやすく座りなおすシーンとか変すぎる。(褒め言葉です)

前半、4人がどう関係値を作っていくかというところがいくつかのチャプターに分かれて展開していくが、その一つ一つがまるでショートコントみたいで、お腹抱えて笑った。なんか細かいどうでもよいことへの愛が見えてとても会話として好きだった。(私もこういうくだらないどうでも良い話永遠にしたい)

後半は前半で上手く4人が絡んだ人間関係を形成した後に、更に進むにはどうしたら良いかという展開になっていく。どこで落とし所をつけるのかなと思ったが、まぁ最後のドライヤーのシーンからうまいこと纏まる展開で終わっているのかなと思った。しかし、ここも答えとしては出していない感じで曖昧な感じはした。(それがちょっと残念。関係の一つの帰結としては曖昧だがらこの関係性のヘンテコさだけを見せられるだけな感じがしてしまった)

また、会話も単体の会話としてはとても面白いがそれが人間関係と、物語にとても上手く作用しているかと言われれば少し疑問で、その会話だけを見せたい感じがした。あまり人との繋がりのところまで落とし込めていない印象。

だが、個性的な4人のキャラクター性は会話で見て取れるので見ていて飽きなくてそこは良かった。

特に中島歩さんは本当に安定で、いつも通り好きになってはダメなタイプの良い塩梅のクズ男演じていて最高だった。会話の核の部分をのらりくらりする感じとかほんとうますぎ。もう演技に見えなくて本人こういう人なのではと思ってしまう。クズ感のないクズで今回も最高でした。天性のものだと思う。

他の3人もとても役にあった感じがしたが、女性同士の関係性は継続難しくないか?と思ったし筧さん演じる女の人が好きになれなかった。(中島歩さんよりタチ悪い気がする。途中、元カレが好きになったというが、それが後輩ちゃんのこと好きになったからで常に男にチヤホヤされていたいタイプにしか見えなくて、誰の事も好きじゃないように見えた。こういう女性苦手)

でも、飽きさせない会話展開と個性豊かなキャラクターは見ていてとても楽しく、時間があっという間だった。会話のエンタメ性はとても堪能できた。
まや

まや