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勝手にしやがれのmのレビュー・感想・評価

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)
3.0
女と男の不毛なやりとり。そこにロマンを感じられる作品。今作だけを観てジャン=リュック・ゴダールをつまらないと諦めないで欲しい!

ゴダール作品にも慣れてきたこの頃、ついにゴダールの初期作品に手を出してみた。初期は私のような凡人にも分かり易いストーリーだったので驚いた。『気狂いピエロ』や『軽蔑』のような難解さはなく、ジャン=リュック・ゴダール監督の男と女のロマンを詰めただけの作品だった。

ストーリーは警官を殺しパリに逃げてきたミシェル(ジャン=ポール・ベルモンドさん)がアメリカ留学生のパトリシア(ジーン・セバーグさん)を口説くだけ。警官を殺し逃げる中で女性を口説く、フランスらしさ溢れるフリーな愛が詰まった作品。

今作を観る前に観た『花様年華』の感想で雰囲気映画、と書いたが今作も雰囲気に頼っている作品ではある。が、『花様年華』より好きだった。
どこまでも観客を置き去りにする自由な作風、まさにヌーベルバーグ。セリフの切り返しが粋でかっこいい。ゴダールの作風、男と女の違いを巧みに描き出しているのは初期から変わらないらしい。

ジャンプカットやカメラワーク、小物の使い方など、後世に語り継がれるだけあるもので、やはり私はゴダールが好きだ。

ただ、私は『気狂いピエロ』が大好きなのでまだキレていない、まだ秀才なゴダールに少々不満といいますか…。「私は知っている!これからあなたは奇才になっていくことを!」みたいななにか消化不良が起こった。
だからこそ、今作を観てジャン=リュック・ゴダールの作風はこうだと決めつけず、他の作品も観て欲しい!是非!笑

ジーン・セバーグさん可愛かったなぁ。あんなん見せられたらベリーショートにしたくなる…。

ラストがかなりイケている。

ストーリー : ★★★★☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★★☆
キャスト: ★★★★☆
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆
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