これはフランス版「灰とダイヤモンド」ですか?
確かに、モノクロの独特な映像美や空虚な台詞回しなどは言わずもがなとても良い。登場人物たちのファッションや車もとてもオシャレだ。
ただ、ストーリーが今作の前年に公開されたはずの「灰とダイヤモンド」にあまりにも酷似していてショックだった。正直なところオマージュというよりリメイクである。今作では恋愛が話の主軸になる一方で「灰と」の方では戦争も大きく関与するという点で異なってはいるが、マッチョイズムとは正反対な男の弱々しさとその象徴としての恋煩い,いつの間にか虚無に向かってしまう人間模様など、扱っている内容は「灰と」のそれとあまりにも類似している。むしろ、「灰と」の方がその背景に戦争を忍ばせているという点で私としては好きだ。
引用を好むゴダールの映画に“オリジナリティ”を求めてはいけないのかもしれないが、だとすれば引用元の言及がなされていないので少々腹立たしくも思う。
※ゴダールが「灰とダイヤモンド」を事前に観た前提のレビューなので、もしそうでない事実がありましたら返信下さい。評価を爆上げします。