毒苺

あいつの声の毒苺のレビュー・感想・評価

あいつの声(2007年製作の映画)
3.2
韓国三大未解決事件に挙げられる、イヒョンホ君誘拐事件を基にした映画。

犯罪映画の多くは刑事が主人公で、そうなると観客も事件を一緒に追う感覚が強いと思うが、
この映画は被害者家族の視点がメイン。脚色はあるが、ドキュメンタリーのよう。
脅迫電話の内容や、受け渡し手法は、実際あった事に忠実のようで、犯人をおぞましく感じた。

父親の職業と母親の存在はフィクションだが、この設定にすることでより誘拐事件の凶悪さがわかる。

時効前の作品集ということで、ラスト実際の脅迫電話の録音・犯人の似顔絵が流されるが、監督製作陣の事件解決を願う意志が伝わってきた。

韓国の実録犯罪映画は、内容がリアルなものが多い。
暗く陰鬱としたものになりやすいが、実際にあったのか?と感じることで頭に焼き付きやすいし、ヒット作も多い印象。
日本では遺族の問題があるのか脚色されまくったものが多かったり、売れたものも少ない気がする。
事件を風刺しないという面で、やはり忠実なものの方が価値は高いと思う。
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