東京国際映画祭2023にて。
冒頭二人で身を投げるシーンからはじまり目覚めたらそこは不思議な世界。
お互いをキ（黄色）やミドリ（緑）と呼び合い、幻想的でふわふわした自然豊かな環境で生活が織りなされていく。
粛々とゆったり静かに展開されていく物語。
今作はとにかくスロー、かつ抽象的な展開。
まだ公開前なので詳細は省くが…輪郭が掴めず、全く頭に入ってこなかった。
“死と生”を中心に据えつつも、一つ一つの事象をぼやかし、明言せず…
映像作品として、もっと“動き”を作らなければ厳しいように感じられた。
単純に飽きてしまう。
唯一のみどころは小松菜奈の顔のアップが多い事かな。
マジで美人。
国宝レベルの造形美を眺めつつボーっとしていたら、終了。
なお、ティーチ・イン付き上映だったので、監督のお話を伺い、腑に落ちる部分は確かに存在したけれど…
それを劇中で表現するのが“映画”なのでは？
プロセスを別途付け加えないと話の中身が実体化しないようでは、商業作品として成立していない。
「少し難しい話、お客さんは理解できたかな？」との言葉もあったけど、感覚がズレていないだろうか？
構成を考え、演出を施す意味。
お金を払い、見に来てくれる方へ価値を提供するのが商業作品。
“プロ”としての骨子が定まっていない点に鑑賞意欲を削がれてしまった。
