いぬ

わたくしどもは。のいぬのレビュー・感想・評価

わたくしどもは。(2023年製作の映画)
2.6
挑戦内容に対し、圧倒的な力不足
この作品で挑戦しようとしていることには共感するが、その挑戦に対し、監督・脚本の力量が圧倒的に不足していると思った。冒頭の謎めいた始まり方はこの先どうなるのだろうと期待感を持ったが、その先もそのままのトーンで延々と続いてしまい、それはもう、作り手の自己満足でしかなかった。東京国際映画祭の試写で見たが、かなりの人数が次々と途中退席していった。衣装の使い方も、作品に説得力を与える役割を全く果たさず、むしろ逆効果。描こうとしていたテーマや世界観自体は良かったと思うので、これを力量のある監督・脚本で作り上げたらさぞや魅力的な作品になったのではないかと悔やまれる。
いじめられっ子の学生の描き方がとても嫌だった。あのシーンをはっきり描いてしまうセンスは個人的に全く相容れない。取ってつけたように、命を大切に、というようなセリフが挟まれるのも言い訳がましい。
星1つにしたいところ、松田龍平の演技が素晴らしすぎるのでプラス1で星2つ。小松菜奈さんは頑張っているが、松田龍平や大竹しのぶなど、脇を固める演者達が良すぎるのでどうしても見劣りしてしまう。
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