ヤスマサ

白鳥のヤスマサのレビュー・感想・評価

白鳥(2023年製作の映画)
3.3
ロアルド・ダール原作の4部構成企画の2作目。
ひ弱でおとなしいピーター・ワトソンが、2つ年上の不良少年から非道ないじめを受けた末、白鳥の姿をさせられライフルの標的となる冷酷で残忍な話し。

原作とは違って、27年前の若かりし頃を、大人になったピーター・ワトソン(ルパート・フレンド)が語る形で物語が進むが、一人芝居の様にアーニーとレイモンドの台詞も担っている。
話しのほとんどは葦や莞の茂みの中で進み、可愛い色合いやポップな感じが無く、ビジュアル面でのウェス・アンダーソン感は乏しいかも。
ロアルド・ダール作品の中で、殺されるかも知れないほどの残酷な話しに、正直言って好きな物語ではなかったので、なぜこの話しを映像化したのだろうと思った。
この物語の伝えるところは、1部目「ヘンリー・シュガー…」から続くストーリーテラー(レイフ・ファインズ)が語った部分…、
「どういうときでも征服されない人間…、不屈の精神を持っていて…、決してあきらめない人間…、ピーター・ワトソン少年はそういう一人だった」というところだ。
救いは、ピーターが本当の白鳥になったという奇跡だが、原作ではその後にピーターが「この足痛い」と言って気を失い、その後のことは分からない。
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