Lifewithmovies

ディス・マジック・モーメントのLifewithmoviesのレビュー・感想・評価

5.0
超おすすめ作品。シネ・ヌーヴォは補助席含め満席。ミニシアターを応援しているからと理由だけでなく、映画として、この作品は凄いです。
マレーシア出身のリム・カーワイ監督が全国22か所のミニシアターを巡り、支配人など運営関係者のインタビューをするドキュメンタリー。
まず、映画館だけで体感できる不思議空間があること。
この作品は、ポスタービジュアルのとおり、ミニシアターのスクリーンから座席に座る関係者へのインタビューで構成さえています。普段観客は、観客席からスクリーンを観ているので、ステージから観客席を観るのも新鮮。加えて、ちょうど、鏡映しのように、スクリーンの向こう側にも客席があるので、まるでスクリーンを通して、繋がっているような錯覚を覚えてしまいます。ましてや、今回は、初めて、作品に登場するシネ・ヌーヴォで鑑賞したので、完全にシンクロして、同じ空間を共有している錯覚を感じることができた。これは、完全に初めて観る体験でした。他の映画館でも体感できますが、この作品で取材された映画館で観ると、シンクロ率がかなり高いです。配信で観ても、この感覚は得られないでしょう。
また、ミニシアターの意味や役割がそれぞれ異なることも興味深い。運営もそれにより、NPOもあれば、親の代からの施設を引き継いだ形などさまざま。10万以下の地方都市のミニシアターと都内のミニシアターでは、役割がかなり異なる。文化資源という言葉が日本でも注目され始めて10年ぐらい経つ?が、ミニシアターに人が集まり、作品を観て、会話・交流するという役割の価値を再認識させられる。
さらに、作品中でも語られますが、地方都市のミニシアターでも、映画を通して、世界の「窓」として、知ることができる、という言葉は、首都圏と地方という地理的条件ではない、世界との繋がりという意味が、とても新鮮で未来的だなと感じました。
2024年1月6日@シネ・ヌーヴォ(リム・カーワイ監督舞台挨拶)
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