東京国際映画祭2023 コンペティション部門にて。
『ツバル』『ブラ!ブラ!ブラ!』のファイト・ヘルマー監督なので、ハズレは絶対ないだろうと思ったら、年間ベスト級の傑作だった。85分と短めなのもいい。
ジョージアの山間部の村にあるゴンドラの物語。ゴンドラであるものを運ぶ最初のシーンから、惹きつけてくれる。冒頭からセリフがないので、設定を想像させて理解させる作りなのも楽しい。
全編通して「OK!」というセリフくらいなんだけど、あれ必要だったのかな?
ほぼゴンドラと周囲だけの舞台で物語が進んでいく。ゴンドラ2台が行ったり来たり、すれ違ったり、改造したり、いろんな村人たちを乗せたり、恋があったり。
ゴンドラ2台だけでこんなにも魅せてくれるとは。舞台装置としての使い方が実に巧い。
可愛らしくてお伽話のような物語は、まさにファイト・ヘルマー監督の真骨頂。
あと乗車係のコスチュームもそうなんだけど、ちょっとフェチを感じるんだよね、太ももの見せ方とか。でも全然性的には感じない。そのあたりもファンタジックなんだよね。
上映後のQ&Aの後、シャンテの外の高台のガラス面に、監督自らポスターを貼ってて、かわいかった。ポスターを下から渡すニニ、そして上から手を振る監督とプロデューサー。まさにゴンドラのようでした🚡