ヴィクトリー下村

ゴンドラのヴィクトリー下村のレビュー・感想・評価

ゴンドラ(2023年製作の映画)
3.7
東京国際映画祭5本目。

ポスターやスチール写真などのイメージ通り。
まさに「現代のおとぎ話」といった雰囲気で、シュールさと優しさが同居した世界に癒された。

物語の舞台はジョージアの山岳地帯。
ロープウェイ場で働く2人の女性と村の人々の交流が描かれる。

「無声映画」であるものの話の内容自体はとても分かりやすい。
シュールではあるがどこか牧歌的で絵本のよう。
大人だけでなく小さい子供でも楽しめるというのがファイト・ヘルマー作品の素敵なところだと思う。

この作品の主役はほぼゴンドラ。
恐らくこれだけゴンドラで遊んだ映画は今後出てこないだろう。まるで子供のイタズラのようにゴンドラという玩具で遊びまくっている。

2人女性の恋愛(友情)模様も微笑ましいし意地悪な上司(普通に法律に抵触することやってる)や村の人々も良い味を出している。
疲れた身体に染み入る良い作品だった。