建野友保

タタミの建野友保のレビュー・感想・評価

タタミ(2023年製作の映画)
4.5
東京国際映画祭2023で鑑賞。政治的な対立が深いイランとイスラエル。この映画は柔道世界選手権に参加したイランチームのエース選手と監督を主人公にした作品です。見事な投げ技、絞め技で勝ち進んでいくイランのエース選手ですが、このままトーナメントが進むと、同じように勝ち進んでいるイスラエル選手との決勝になってしまう。そこで、これを回避しようと考えたイラン国の首脳たちが、あの手この手で、エース選手と監督に棄権を迫る(脅迫する)というお話。
真綿で首をジリジリと絞められるように、主人公2人に強大な圧力がかけられ、息詰まる展開がどんどんエスカレートしていくところが最大の見どころ。
実際にありそうなお話だなと思っていましたが、上映後のトークショーで、いくつかの実話をベースにしながら、出演者名を暗号化するなど徹底した秘密裏で撮影されたというお話がありました。そして、イラン出身とイスラエル出身の2人がタッグを組んだ作品は初めてではないか、とも。
日本での公開はまだ決まっていないようですが、2024年に公開されることを祈っています。そしてアカデミー賞の外国語映画部門にもノミネートされるのではないか、とも想像します。
建野友保

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