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彼方にのaokazexのネタバレレビュー・内容・結末

彼方に(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

誰かの行動が、全く違った意味を持って、別の人に届く。その瞬間を切り取った良短編だと思います。

女の子は、主人公を抱きしめたのは、別に主人公のことを思ってのことではないですよね。いたたまれなさ、愛情の渇望、そういったところからだとは思います。
だけど、その行動が、主人公に全く別の意味を持って、届くんですよね。否応にも似た家族(内情は違うんでしょうが)と意識していたところに、生きてたはずの娘の温もりを、ふと思い出してしまったんじゃないでしょうか。
写真をみながら、ハッピーバースデーを歌ったりしてあげていた様子からみても、今でも生きていたはずの時間から脱却できていないわけです。

でも、ここで実際に抱きしめてくれてるのは、全くの他人……。永遠に失ってしまったこと、『彼方に』行ってしまったことを改めて突き付けられた形になっちゃったんじゃないでしょうか。
だから、ここからがやっとリスタート。大切に思いつつも、自身は前に進んでいがなければ。
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