てるる

相撲ディーディーのてるるのレビュー・感想・評価

相撲ディーディー(2023年製作の映画)
4.0
東京国際映画祭2023 ④

今年は純粋なインド映画はこれだけ。

それでもクリケットとカバディの国が相撲をテーマの映画を作ることの破壊力!
しかも実話ベース。

スポ根映画大好きなのでもちろん楽しめたんだけど、トレーニング以外でもインドで相撲の知名度が低すぎてスポンサー探しに難航するくだりは予想外だった。

「私の夢、父の夢」「ダンガル」「メアリー・コム」「最終ラウンド」など、女性スポーツ映画が多数ある。

それだけインドでは女性が本格的にスポーツすることに障害があるからこそ、ドラマ性も産まれるんだろうな。

逆に言えば、たまたま相撲取りに出会えて相撲レスラーを目指すことになったのは運命と言えるかも。

日本のシーンもあったけど、トンデモニッポンじゃなくてちゃんと日本ロケをしてるのが素晴らしい。
コロナ禍で大変だったらしいけど千葉県が協力してくれて実現したんだそう。

あとインド映画らしく、家族の物語としても良かった!
特にお父さん…普段はあんな感じなのにギャップ萌えです。

でも反対するお母さんの気持ちも分かる。
「私の夢、父の夢」でもお母さんが反対してたけど、インドでは女性は結婚が出来るかどうかが重要と思われてる。

今でこそ考え方も変わってきてるんだろうけど、結婚こそが女性の幸せと思ってる典型的な母親で、娘のことを心配していただけで決して応援してないわけじゃなかったと監督もQ&Aで仰ってました。

ちなみに相撲レスラー役はサトウさんという元力士の方だそう。

これは日本でこそ公開して欲しい作品。

あとインド映画で相撲と言えば「SUMO」というタミル映画があるけど、これも観てみたいなぁ。

以下、ネタバレあり















ヘタルと幼なじみのロマンスが映画で描かれてるけど、あれも実話だそう。
今も夫婦で、お互い助け合ってるんだとか。

そして実際のヘタルさんは資金難により、今は相撲レスラーとしては引退。
その後、女性向けの柔道・相撲教室のようなものをやっていたが、それも資金が尽きてやめてしまったのだとか。

ただ、今でも相撲や柔道とは関わっているみたいで、映画よりもドラマティックな人生を送っているとQ&Aで制作陣の方々が仰ってました。
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