ショッキングな犯行にババーン！と表示される「黄金少年」のオープニングがカッコいい。「首」といい最近の邦画の題名が出る時のインパクトは嬉しいものがあります。
サイコパスの犯行を偶然デジカメで捉えてしまった少年達が「脅迫して金せびろうぜ」と画策。無謀！愚か！と罵りたくなるものの、一般的なサイコサスペンスとは異なるストーリー展開。大抵サイコが無双して一般人が恐れ慄き逃げ抗いといった一悶着がよく見かける筋ですが、本作サイコの対抗馬が対等に交渉していくという。理知的な部分を一つピックアップすると「僕ら殺したらあなたの殺人もバレる手筈整ってますよ」と保険をかける悪知恵働くわけで、若さゆえの過ちか、若いからこそハイリターンのために弩ハイリスクを侵せるのか。主要人物のバックボーンに靄がかかっており、今誰にイニシアチブあんの？というこちらも煙に撒かれているようでもどかしくスリリング。サイコ岡田将生に関しては基本的に誰から見ても怪しすぎる状況なのにするりするりと危機的状況を回避していくという、金子監督繋がりなのかデスノートの夜神月を彷彿とさせられたり、まあそこにサイコと傲慢さを爆盛りしたような感じ。サイコサスペンスジュブルナイルで時にピュアと胸糞を混ぜたヤベー奴の立ち回りにワクワクさせられ、巻き込まれる奴に同情しと楽しめました。
クライマックス及第点の先まで描いてくれたのがとても好き。主題歌の曲調は本作の余韻に相応しいかは個人的には疑問。
