花火

ゴールド・ボーイの花火のネタバレレビュー・内容・結末

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

父に迫られた星乃あんなが逃げてから台所の包丁を手にして刺すまでの導線設計、岡田将生からひとまず60万脅し取って帰るバス停での会話の進展と同期して前進するカメラ、実家から走り逃げるシーンの撮影と背景の道の傾斜。撮影:柳島克己&照明:宗賢次郎、編集:洲崎千恵子、脚本:港岳彦と手練れのスタッフが揃ったことで、金子修介が息を吹き返したかのように優れた演出を見せるのがとても嬉しい。というか北野武フリークとしては、柳島克己が沖縄で人がバタバタ死んでいく映画を撮るという『ソナチネ』を思わせるめぐり合わせでそれだけで楽しいのだ。最近は助演で優れた一面を披露していた岡田将生の久々主演…というより実質的な主人公は子供たちなので、やはり助演の巧みさを見せつけたというところだろうか(でもこういう天才的犯罪者がスクリーンで暴れ回るのって気持ちいいよね、最高です)。それに何と言っても羽村仁成。箸にも棒にもかからない『リボルバー・リリー』で窮屈そうにしていたあの少年と同じ子なのだろうか。2024年の新人男女優賞はもう羽村と星乃で決め打ちにしていいんじゃというくらい輝いていた。
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