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ゴールド・ボーイのsayayumeのレビュー・感想・評価

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)
3.5
中国製作のドラマ『バッド・キッズ』(全12話)は、攻守が入れ替わる緊迫感と第三者の悪意と善意までもが入り乱れ、ラストではやり切れなさと希望を同時に感じさせる名作
ただ原作どおりではなかったらしい
(なのでこの感想はドラマ版にかなり引きづられたものだ)

この映画の方が原作に近いのかもしれない
人物はドラマとほぼ共通している。キャストの演技は確か。端正な容姿に虚を滲ませドラマ版とは一味違う殺人鬼(ある意味日本的)を見せた岡田将生、唯一正義を体現する刑事は父性とともに江口洋介ならではの華と強さがある(ドラマと同じ設定にしてより長くみたかった) この二人は納得
重要な子ども3人はみなよく演じている。ハードな展開に時おり見せる解放が眩しい。朝陽役の羽村仁成はとくに闇深い身勝手さの片鱗を醸しつづけ、大人たちとしっかり対峙する

だが2時間ではいかんせん時間が足りない。12回のドラマと比べるのはよくないが、攻守が簡単すぎると感じてしまうし、3人の関係性が薄くみえる
また黒木華演じる朝陽母もやや善人化されてしまった感

沖縄の海空の美しさ、対して人間関係の狭さや日々の生活は映画に味方している

二人のゴールドボーイ(その名前からして)は結局のところ、少年の間のみ輝けるのかもしれない

2があるのだそうだ。さて。
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