このレビューはネタバレを含みます
樟葉モールの映画館のスクリーンがめちゃくちゃデカくて羨ましかった。だからとにかく迫力があってよかった。
冒頭の掴みが良い。ヒッチコックの『めまい』で魅せられた「落下」のような演出（撮り方、音楽）が、『ゴジラ-1.0』のような技術がある現代に観てもリアルで、一気にストーリーに引き込まれた。物語後半で『めまい』のドリーズームっぽい演出が出てきて、本当に『めまい』を参考にしているのではと思った。
主人公さえも悪であるという結末の本作は、物語全編を通じて、登場人物への感情移入を避けた演出がされていた。主人公の心情や過去はほぼ描かれず、淡々と今起きている事象に対処していく。このような演出でも終始画面に釘付けになったのは、やはりサスペンスが維持されていたからだと思う。そもそも、サイコパスvs悪童という構図（サイコパスを悪童が脅迫するという構図）自体が、終始「騙しているのでは？」「騙されているのでは？」というサスペンスを生み出している。
ラストはみんな油断しすぎ。ヤケクソ感がちょっと出てる。
