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ゴールド・ボーイのwksgknchのネタバレレビュー・内容・結末

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ゴールドボーイ
GOLD BOY


観てよかった。
話しの変遷の変わり目、目的が変わっていくのと、
それぞれの関係性の機微や地方のありそうな感じ、
終盤の展開とオチ、2時間でよくこれだけ盛り込んで、
かつ破綻させずに面白い物語だった。

監督は金子修介さん、デスノートくらいですね、観たのは。
主演は岡田将生さん、東昇を演じる。両親を突き落として殺した殺人犯。
その殺人現場を偶然撮影してしまった少年達のリーダーの朝陽を羽村仁成さんが、
上間浩(前出燿志)と夏月(星乃あんな)の兄妹と3人で東昇と
何気ないきっかけから関係が生まれ、物語が進んでいく。
出演陣がなかなか豪華。

予告では全くわからない展開で、いくつかのパートがありながらも、
東と朝陽の2人の関係が次第に変わっていく、
子どもだと思ってなめている東、
朝陽を筆頭に大人に振り回されてきて、大人に一泡吹かせたいという3人。
それぞれの人間性が顕になっていく流れが秀逸。

東は沖縄で幅を利かせている東家に婿入りしており、境遇は説明されないが、妻には離婚を切り出され、会社でもおそらく対したことはしてないんでしょう、日々鬱屈していることは間違いない人生を送っており、逆転したい、資産と承認欲求が欲しくてたまらない。
冷静に振る舞う人物が翻弄され、人間らしくなっていく展開が良かったし、岡田将生さん、素晴らしいです。

朝陽は親は離婚しいるものの、父とも良好な関係で、THE優等生、素直で真面目な感じの学生であると、ただ同級生の女の子を殺したという疑惑をその子の母親からかけられていて、そんなことをしそうには無い感じに見える。
そんな朝陽が東と接する時に背伸びして話すことや、ん?あれ?と匂わせる瞬間がたまにあり、最後に背筋も凍るような冷徹さをみせる、そんな演技をみせてくれた羽村さんは凄い。

ネグレクトの子どもや方や愛されているのに捻れてしまった子どももいて、
小さな町(沖縄は小さくないけど)では権力者はあらゆる階層に関係者がおり、
仕事を斡旋、経済を動かしていて、アンタッチャブルな存在になっていること、
その舞台が沖縄という島であるということが、現実に立ち返ってみたときに、
大きな力の受け皿となっている側面があるじゃないかと思わせるし、
青い空や海などと対比的だし、簡単には逃げられないということを
暗にしめしているのかなと感じた。

はっきりとは描かれないけど、東と朝陽はお互いにシンパシーを感じていたように思える、それがとある共通の才能を互いに持っていることからわかる、もし、仮に違う出会い方をしていたら仲良くなったのかもしれない。
しかし、互いに邪魔者を消す、ということに抵抗が無く、自分以外を信じないので、無理かもしれないな。

原作は中国で、『悪童たち』という題で読めます。
それを基にしたドラマが「バッド・キッズ」として
アマプラで観れます。
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