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ゴールド・ボーイのazusaのネタバレレビュー・内容・結末

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

想像以上の見応えで大満足。13歳までは何をしても捕まらないと語る様子から朝陽には何か裏があると感じてはいたが、まさかここまで真っ黒とは。真性のサイコパスは隠して、浩みたいなチンピラが許容できる範囲で悪事を働いてから(しかも本人は直接手を下さないという聡明ぶり)、化けの皮を脱いで全員始末するという…浩は置いておいて、夏月まで死ぬままにしておくのが良かった。ここで好きな女の子だけ助けたりしたらせっかくのサイコパスが台無しになってしまう。邦画では最後の最後になって悪役が手のひらを返す展開がありがちだから、その点で本作は悪を悪のまま終わらせたことが素晴らしい。朝陽のすごいところは東昇が最後の面会で自分たちを殺すだろうと読んでいるところ。東昇が氷を出してきた時点で3人とも死ぬなとは思ったが、このあとさらに一幕とは意表を突かれた。朝陽が東昇を刺すまで冒頭で感じた朝陽の違和感をすっかり忘れていたし、そういうことも折り込み済みの脚本だと思うと本当によく練られていると思う。続編も製作されるようだからこれは期待したい。あと終始岡田将生が美しい。エンドロールで衣裳協力にヨウジヤマモトが載っていたが、これは彼が着ていた衣裳だろうなあ。白いブラウスが本当によく似合っていた。主題歌は少し時代を感じる曲で歌詞も曲も映画の雰囲気に合っていなくてぶち壊しだった。

朝陽はあの二人を殺したくて、どう殺そうかずっと考えていた。そこに適度に悪い友人とその妹が現れる。そのうえ東昇が崖から人を突き落とすところを見た時点で、こいつらを使って殺そうと合点がいったんだと思う。頭が良すぎて追記するくらいにはゾッとした。
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