つぐみ

ありふれた教室のつぐみのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
4.6
祝Mark900本目🎊にしてヤダみOF THE YEAR2024早くも出〜た〜〜

昨年末に友人に「今年って映画豊作だったんですか?」って聞かれて「うーん…映画は毎年大体豊作だよ、見てる母数が多いから当たり前だけど」となんの参考にもならんことを言ってしまったんだけど、2024年は洋画も邦画もブロックバスターもアート系も全部かっ飛ばしてるね、面白い!!

娘はいま6年生で、これまで交友関係や学習面でもほぼトラブルなくきて、担任の先生とかと揉めたことは一切ないし、基本先生や周囲にも感謝〜ありがと〜って気持ちでいるけど、単に運が良かったんだな、今の表現だと「ガチャ」でしかなかったなとゾッとする想いに駆られた。いつ娘がこの環境に置かれたか、もっと言えば私がこの親になっていたかわからない。いやほんとこれどこで起きてもおかしくない、めっちゃ邦題いいよ、ありふれた教室の話だもん。

生徒の一人一人も、先生の一人一人も、保護者の一人一人も、みんな最初は誰かを攻撃する気はないんだけど、厄介なことに自分はいつだって間違ったりしない、正しいと思ってる、だから財布がなくなったって面前で疑いをかけるし、上長に然るべき報告をあげる前にタイマンで確認しちゃうし、学級会の前に授業中に話せと強請るし、ジャーナリズムを盾にダマで記事を出版しちゃう。
みんな真実を知りたい、明かしたい、共有したいじゃなくて、自分だけが正義でいることに気持ちよさを感じちゃって、相手が泣いて謝るまで殴り続けちゃう。打ちどころが悪ければ、死んじゃう人だっていることに渦中は気付けない。

でもやっぱり根っこにあるのは、「私の財布取らないでよ」っていうシンプルな気持ちなんだよ。人のもの取らないって基本中の基本だろうが!笑

人が集まれば揉め事が起こるってのは世界中どこも変わらない真理であって、マジでここでも「単一民族の日本は多様性に欠けているため相手への想像力がなく〜いっぽう欧米では、一人一人違うのが当然であるためウンタラカンタラ」みたいな雑・多様性論出羽守言論(仮想)にグーパンですよ。そもそも人間は一人一人違うから諍いが起こるの!!何人だからとかじゃなくて!

親友が中学の教師であまりに荒れた環境で心療内科通うことになって(彼女の自治体は教員の休職率4割って聞いて目ん玉ひん剥いた、ほぼ半分やん)、もう子どもと接する仕事に一切希望は持てなくなって、「給料以上のことは何もしない」と夢潰えてしまい、過去10年くらいほぼ産休育休でほとんど働いていないという経験を経て、この春から復帰してる、彼女のことを思い出しつつも、こんな映画を見たよとは、傷を抉りそうで流石に言えない。

めちゃくちゃ疲弊する作品だったし、現実が辛い人には向かないとは思う。でもこういう見応えのあるもののために私は劇場に通い続けるんだなあと実感。元気ある人だけ見て!
つぐみ

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