東京国際映画祭学生応援団

白日の下の東京国際映画祭学生応援団のレビュー・感想・評価

白日の下(2023年製作の映画)
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第36回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス」部門上映作品

香港で実際に起きた、介護施設での虐待事件について女性新聞記者をフォーカスし、描かれている。その介護施設の施設長は、元々目が弱いため自分のように弱い人を助けたいと思い働いているが、施設の中では日常的に暴力が行われていた。女性新聞記者(ケイ)は、その施設に潜入取材をし事件について暴いていくが…。

人間味が強く表現されている作品だった。監督とキャストの方々の演技の影響から、映像に映っているひとりひとりにインパクトがあり、記憶に残るキャラクターが描かれていた。さらに、作曲家の音楽へのこだわりがとても強く、イタリアに勉強しに行き、機械的な音楽ではなく人間味のある演奏の音楽を選んだという。
監督•キャスト•作曲家の思いがあるからこそ、心に響く作品になっていた。

"正しいことをして悩むな"ということばが、1番印象に残った。正しいことをしても、報われない辛さがある。ジャーナリズム界において、この事実は身近なことなのだ、とこの作品はを通して、再認識した。しかし、ケイはこの事件とさらに向き合うために、自分が正しいと思う道に新たに突き進んでいく。その姿はとてもかっこよく、同じ女性として憧れを持った。

高齢社会が問題になっている今の日本にとって、とても必要な作品だと感じた。沢山の日本人にも観て欲しいと思う作品であった。

学生応援団13期 武内