ミシンそば

愛と宿命の泉 PART I /フロレット家のジャンのミシンそばのレビュー・感想・評価

3.7
観る前のイメージは、南仏の都会のもっとギャングギャングした映画なのかなと思ってたけど、田舎のご近所同士の諍いに端を発する、大河ドラマのような趣きの作品でした。
二部作あるうちの一作目につき、この作品単体での評価はこんなもんだろう。

田舎者にとっては鼻につく都会人って感じのドパルデューと、イヴ・モンタンの老獪で回りくどい感じをまずは楽しむ前菜的構成なのかしら?
イケメンでもブ男でもない絶妙な困り顔ダニエル・オートゥイユの本域もまだ見えてこない。
老獪なモンタンの言いなりなんだが、同様に回りくどくて、個人としては人のよさや、やや厚かましいとも(観てる側に言わせれば)ジャンに対して友誼を感じる様なんかも観てとれる。
各賞に輝いたキャラクター性は次作で発露すると信じよう(まだ六合目あたりな気がする)。

何度も言うが「これ単体だと」、意識高い系で実際に汗を掻いたことなんてほぼない都会人が、気候や排他的な田舎者に揉まれ疎まれ、そして打ちのめされる映画。
そこ止まりだな。本作のラストから繋がる次作にいろんな意味で期待(このあと観る)。

【追記】
単体でのスコアは3.3ってトコではあるけれど、次作と合わせてみればこのスコアは堅い。