人に触れられるとパニックになるデヴィッドと精神障がい者のリサ、うまく生きられない2人への眼差しがあまりに真摯で泣けてくる。大袈裟に言えば90分かけてゆっくりゆっくりと手を繋ぐだけの映画なんだけど、それがなんとも感動的。言葉や文字、対話の場面が多く、また肌の接触が重要な要素でコミュニケーションの映画でもある。
デヴィッドは最初会話ですら拒絶する人間嫌いだが、人は誰かとの関わりなしでは生きていけない。ラストの文字通り互いに手を取り合うという映画的な演出で、人が他人と出会って共に生きることの純粋な素晴らしさを描写する。そもそも誰でもどこか欠けててそれは結婚したりして補い合うもので、デヴィッドとリサはそれを分かりやすくするために精神障害で誇張される。