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一月の声に歓びを刻めのCatのレビュー・感想・評価

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)
4.8
面白かった……っ!!!

登場人物達が何を考えて生きてきたのか、
言動の、映像の、好む物の端々に
そのヒントが散りばめられていて、
それを辿っていくのが興味深くて面白い。
どんどんこの人達の心の中へ入っていく。

れいこ れいこ れいこ

そうか、これは「もしも」の話なんだ。と。
監督の実体験である第3章が起点で、
もしも性被害を受けたあの時、自殺していたらこうなっていたかもしれない第1章…
もしも、大好きな人とセックスができていたらそんな人生もあったかもしれない第2章…

いやぁ……書いていて切ないな。。。
その2章を辿った後で第3章にくるから余計に。

ああ…映像を、映画を好きな人が撮っているんだなぁと感じる、随所にある遊び心。
セリフを言っている人をただ撮っているだけじゃない画の面白さ。
日本の映画ってこんな繊細な画の作り方をするんだったっけ?画だけじゃない、音も凄かった。映画館で聴かないと気付かなかったかもしれないほど繊細。
よく撮れたな…!!というような自然の有り様を奇跡的に収めたショットも乱立している。
人の心と記憶を行ったり来たり、時には起きながらに夢の中を辿るような過去に入り込んでいく瞬間もあり…
もう、なんだこれは…!!と思いすぐに2回目を観に行ってしまった。

この映画は日本よりも海外の方が反響大きいかもしれないと思った。特にヨーロッパ。
こういう映画ももっとたくさん観て生きていきたいなぁ。
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