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一月の声に歓びを刻めのせっのレビュー・感想・評価

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)
3.3

北海道の洞爺湖近くに住む1人の老人と、東京の八丈島で帰省した娘と過ごす父親、大阪の堂島で知り合いの葬式に出席するために帰省した女性、三者のある日を描いたオムニバス風映画。

全ては最終章の「あなたはちっとも汚れてなんかいない」という言葉一点に集約されていて、第1章は湖を見つめるマキで終わり、第2章は海に到着するフェリーを迎える親子で終わり、第3章のれいこへと想いのリレーをしたかったのかな?と思った。

でも余りにも第2章の存在自体があんまりよく分からなくて、喪失を乗り越え新たな未来を歩む親子が第1章と第3章の橋渡しとして機能しているのかが微妙だった。

でも、後からパンフレットで監督自身の経験から作品を作ったと読んで少しは納得した部分もあった。例えば、それを経験した人だけが鮮明に記憶しているみたいなのを、第1,2章は断片的に本人たちの過去が語られるのに、第3章だけめっちゃ鮮明に過去が語られてるので、加害者所以に関わらず経験した人だけが一生鮮明に抱え続けるってことを言いたかったのかなぁとか思った。

後は、3部に登場する男性達は各世代に別れていて、世代ごとの男性の無意識的なダメな部分を描いてるのかなと思った。第1章は、自分が女になるとかそういうことじゃないだろって話だし、第2章は勝手に娘を守ろうとして暴力を振りかざす有害な男性性、第3章はどんな時でも自分のことしか頭にない自己愛強すぎる男って感じかなぁ。

ただやっぱり助長な部分めっちゃ多くて、おせちのシーンとかテンション上がるけど、別にゆっくり見せる必要もあんま無いというか。。
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