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一月の声に歓びを刻めのLifewithmoviesのレビュー・感想・評価

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)
3.3
三島有紀子監督が、自身の体験を元に製作された自主映画。3章+終章構成で、それぞれ主人公が異なる。性加害を受けた被害者を描く一方で、罪意識も並行して描かれている。ただ、特に2章の内容が1章、3章との繋がりにみえづらく、結果的に全体的にぼやけているように感じる結果に。また、3章のトトを始め、ステレオタイプな人物像を描きたくないということなのかがわからないが、物語に直接的に影響していなさそうなパーソナルな部分がノイズに感じてしまった。セリフを少なめに構成しようという意図は良いのですが、自身の体験から、観客への普遍的な投げかけみたいなものが、特に第1章で感じ取ることができず、結果、本来ならば、思索する間が冗長に感じてしまうのが、残念。特に「罪の意識」の部分の描き方を変えると、伝わりやすくなったのかなという鑑賞後感が残る。そういう意味では、前田敦子さん主人公パートの設定で、ロードムービー的に描いた方がわかりやすかったかもしれない。
2024年2月18日@アップリンク京都
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