映画の予告で気になっていた作品であり、
俳優・前田敦子の演技も観てみたかったので、
遅ればせながら2月26日に鑑賞。
生きていく中で過去に深い傷を追った者たちが、
それとどう対峙し、救済、そして未来へ進むのか。
オムニバス形式の3章で語られるが、
直接的な繋がりはなく、
テーマだけで三本が紡がれる仕上がり。
最終章では、1章と3章の結末が対比の様に描かれており、
「ある事件」で命を絶ち、男性であることを捨て、
その事件に苦悩し続ける者と、
「ある事件」から全てがモノクロに見える
世界で生きてきた女性が、
生きてさえいれば、どこかでその傷は癒え、
色味を取り戻すことも出来る。
鑑賞後に感じたのは、
3章の物語のみで描くべきだったと感じたことや、
所々にある過剰な演出が悪目立ちし、
テーマの説得力の足枷になっていたこと。
監督の実体験に基づいた部分が3章らしいので、
あまりにもその部分を強く主張するには
耐え難いものがあったので、
章仕立ての構成になったのではないだろうか。
全体的に漂う、空気感は良かっただけに、
個人的には少し的がずれてしまった作品だった。