Ginny

青春18×2 君へと続く道のGinnyのネタバレレビュー・内容・結末

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

泣いた。

舞台挨拶全国同時生中継ライブビューイング回鑑賞。
みっちーが登壇するので観に行くことに。
台湾との合作、バックパッカーの日本人の女の子と台湾の男の子の交流くらいしか前情報なし。

自分が、見知ったものがちょこちょこ出てきてくれたことで映画の世界に入り込む助けになった気がする。
スラムダンク、松本、映画Love Letter、ミスチル。
特にLove Letterは、この映画でとても重要な意味を指し示す効果的な使い方をされてる気がするので、映画見といて良かった(Tさんありがとう!)と強く思った。

何故、アミがバックパッカーで旅をしたのか
思わせぶりな態度はなんだったのか
ジミーがアミの実家で本を受け取って読むシーンは、まんまLove Letterじゃん!と涙がボロボロ流れた。
とても切ない。
こう、今直接届けられないのに、想いを綴ったものが届く(言葉難しい)のがツボった。

役者の演技も良いのだけど、それ以上に映画の編集、撮影、脚本?演出?が良い気がする。すごくすごく効果的に映画が作られてる気がする。
音楽も良かった。漂う美しい音楽に癒されるしどこか切なくもなる。無音の電車からの心のシャッターシーンが引き立つ。

冒頭のシーンから2024年パートは青みがかってるなーと思って、2006年パートと区別がつきやすいようになのかな?と最初は思ったけど、Love Letterの存在感を考えると岩井俊二リスペクトがあるのかな。

みっちーの役柄について前情報なくて、騒がしい様子に最初は驚いたけど天真爛漫なピュアさは彼が持つ良さがあってこそ嫌味なく成立してると思うので、良かったなあ 可愛い。

黒木華さんの実年齢を感じさせない自然な演技も出演時間が長くなくても存在感抜群で、荒唐無稽に思える展開でも受け止められた。
これに限らず、出来すぎとも思える展開が続くのだけど、不思議と興醒めしないのは、旅という非日常空間が舞台となるからなのだろうか。それに加えて、つなぎ方や空気感の作り方がうまいんだろうなと思う。美しく繋げられていて飽きないつくり。

グァンハンさん演じるジミーの18歳の頃と38歳の頃の質感の違いの再現のクオリティの高さに感嘆の気持ち。
若々しいはずの18歳だけど2006年の時代の解像度の荒さ、若い故の外見の無頓着さに対して時代が進んで年を重ねても若い人が増えた2024年の38歳の方が下手したら若く見える感じがリアルだなと思った。
ポスターで最初見た時、なこなこの「こ」の方(©️あのちゃん)?!と思った。

雪国行ってみたくなる。
人が多くない土地にも電車を動かし続けてくれてありがとう、と思った。

ミスチルの主題歌、自分はあんまり好きじゃない。
ミスチルはライブに8回行っていてマイペースに好きなのですが自分は泣ける系映画の主題歌の楽曲は昔から好きじゃない。
今回の曲は、旅立ちの唄、himawariの2曲に似てるなと思った。
メロディーや編曲もシンプルで、尖りがない感じ。
個人→恋愛→家族→世界みたいな感じの曲の変遷を感じてるのだけど、自分は世間に対しての桜井さんのメッセージとか、比喩がある曲が好き。
[(an imitation) blood orange] Tourだったと思うのだけどMCで(歌で)言いたいことがあって、自分のエゴで、ここまで続いたみたいに言ってたのが、すごく桜井さんらしい謙虚とエゴのバランスで好きなのですが、こういう感動系映画の曲聴くと、本当に桜井さんの言いたいことなのか?とは思う。
素晴らしい映像作品なのはそうだろうけど、依頼されたらその作品を褒めるしか、肯定的な表現しかないような、自由さがない窮屈さを感じてしまう。その作品の枠組みの中の桜井さんの曲って感じ。。
そうじゃなくて、桜井さんの言葉が聴きたいよーと思ってしまう。

ジミーとアミが聞いてたのってなんだろう。
パッと口笛が浮かんだけど、しみじみ考えて君がいた夏も良いかもしれない。
口笛とか切なくて泣けちゃうかもしれないし。

舞台挨拶での話で、作品をより楽しく見れることもあれば…ネタバレまではいかないけど匂わせがあって察してしまうことも。
前者は、藤井監督のミスチル愛を知ることができて自分の監督作品の主題歌がミスチルなんて嬉しいだろうな!と感動した。
ジミーとアミがイヤホンで音楽を聴くシーンのミスチルの曲は、皆さんそれぞれ青春のミスチルの曲があると思うのでお好きに想像してくださいと言っていた。難しい!
でもこのコメントを聞いて映画を見ると、自分だけの大事な人とのミスチルの曲の思い出、特別な曲があって、映画を見ながらそのことを思い出して込み上げるものがあった。ミスチル偉大。
後者は…司会者の失言というか気遣いが足らなかったのではと思うことが。
グァンハンさんを、18歳と36歳と演じられましたがと紹介して、清原果耶ちゃんには18年後の言及がない…ということは?と舞台挨拶の時点で違和感が。それは的中することになるのですが。
記憶違いだったら申し訳ない…けど多分岸辺露伴ルーブルへ行くの舞台挨拶の時の司会と同じな気がして、そっちの舞台挨拶の時も、役者の良いコメントを拾いきれず気になってたので…。うーん。
みっちーのボキャブラリーが増えていて、日々成長してるんだなと感心したり、無人島に持っていくもの一つだけにイヤホンと答える天然ぶりは健在でほっこりもしたり。

来月はじめての海外旅行ひとり旅するかもしれなくて、不安いっぱいだけどこの映画見たら、旅いいなーと思えて背中押してもらえた気分。
切ないけれどやさしくてあたたかい映画。
みっちー素敵な映画に出れて良かったね。
Ginny

Ginny