ストーリーは正直言うと、先が読めるものだった。
それを差し引いても素晴らしかったのが映像。
温かく優しい空気感をそのまま包み込んだような台湾パート
東京の慌ただしさ、北陸の静けさの日本パート
セリフが無くても伝わる場面が素晴らしかった。
台湾映画は本当にこの空気感を掴むのが上手い。
大人になり切れない青臭さ、そしてなぜか物憂げで淡く切ない一瞬を切り取ったような空気感がたまらない。
「あの頃、君を追いかけた」などはその典型だろう。
そして、清原伽耶ちゃんの演技がもう…なんとも言えない素晴らしさ。
たとえ、それが初恋じゃなかったとしても、一生忘れられない人がいるということは幸せかもしれない。
その記憶をずっと背負って生きていく事は、楽なことでは無いけれど。
自分の生きた証、存在した証明
きっとこれほどドラマチックでなくても、誰の胸の奥にも同じような記憶が眠っていると信じている。